ウエデイングドレスに恋する~『ウェディング・ドレスに紅いバラ』
ウェディング・ドレスに紅いバラ
田中 芳樹
おすすめ度 ★★★★★
★★★★★ 2004-11-03 吸血鬼モノとしては、
吸血鬼モノはたくさんあるが、最近有馬啓太郎の『月詠』にはまって、吸血鬼モノを読み直してみようかなと思って真っ先に思い出したのが、この作品だ。田中芳樹という人は、学習院で歴史の研究をしていただけあって、非常に博学かつ系統だって勉強しているようで、妙な分野での博学がある人です。それが、小説を書く時にも、背景を体系だって構築するくせになっているのでしょう。『七都市物語』のように架空の世界を構築するのが好き何で、それが講じたのでしょうが、この短編集の集まりにも吸血鬼に対する幾つモノ新解釈があって、興味深いです。とりわけ、吸血鬼の遺伝的な発症部分の解釈や、吸血鬼とはいえでも血を吸うわけではなく、指で生命エネルギーを吸い取るという部分、集団を好まないが歴史的必要性から秘密結社を形成してひっそり暮らしている等々、考えると、非常に先駆的かつ深い設定でした。単純に主人公がかわいいというのもありますが。
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